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第32回 新築物件か?中古物件か?競売か?(1)

 

前回まで どんな費用が掛かるのか? についてお伝えしていました。

今回より数回掛けて、新築物件か?中古物件か?競売か? についてお伝えしていきます。

 

 

・それぞれの特徴を知ろう!

自動車に新車と中古車があるように、不動産の物件においても新築物件と中古物件と競売物件の3種類があります。

ぞれぞれの違いや特徴を見極めた上でどれに投資するのかを判断してください。

それでは3種類の簡単な内容とその特徴を見ていくことにしましょう。

 

 

・まず、「新築物件」について

言うまでもなく新たに建築された(もしくは今後、建築される)物件のことをいいます。自動車に例えるなら新車です。

特徴的な部分を見ていきますと、販売価格面では3種類の中では最も高くなります。

ただ、誰も使用していない新品の状態であり、なおかつ建物の設備も最新式のものが備わっています。

また、賃料も基本期には3種類の中では最も高く設定できるのも特徴です。

ただし、新築物件は未完成の段階で販売しているケースが多く、イメージがしにくいという側面もあります。

実際に完成してみると、イメージと異なっていたというケースもありますので注意しましょう。

 

 

・次ぎに、「中古物件(既存物件)」について

既に建物が建築されており、さらに、人がその建物を使用している状態の建物のことをいいます。

自動車に例えるなら中古車です。

特徴的な部分を見ていきますと、販売価格面では、新築物件より年数が経過している分、安くなっています。

ただし、中古物件と言っても、築3年目の築浅物件から築20年を超すような築古物件まで様々です。個々の物件により格差が大きいというのも中古物件の特徴です。

なお、今後、中古物件は、「既存物件」という言い回しが多くなると思われいます。

これは国の、中古物件の売買や賃貸等の流通取引を活性化させたいという政策の中で、中古物件というネガティブなイメージを持つ言い回しを変えたいという意図があると思われます。

 

 

・最後に、「競売(けいばい)物件」について

「競売」とはどういう意味でしょうか?

競売とは、民事執行法という法律に基づいて、裁判所が差し押さえた物件を公的に入札等の方法により売却することをいいます。

以前は専門家でないと参加することが難しかった競売ですが、法律が数回にわたり改正されたとともに、多様な手段により情報の入手も可能になり、昔と比べてやや参加しやすくなっています。

やや参加しやすい状況ではありますが、法律の知識を含めて知っておかなければならないことはたくさんあります。

特徴的な部分を見ていきますと、一般に販売されている中古物件より比較的安く購入できる場合があります。

また、競売物件といっても、外から見た場合、中古物件と変わりはありませんが、中身や内面的な所については、一般の中古物件と違う場合がほとんどといってもいいくらいです。

この部分が一般の中古物件との価格差なのかもしれません。

 

それぞれ選ぶときのポイントは?
次に、それぞれ選ぶときのポイントについて見ていくことにしましょう。

まず、新築物件を選ぶときのポイントとしては、新築物件もやがて中古物件になっていくことになりますので、中古になっても入居者が集まるかどうかを見極めることが重要です。選ぶときのポイントとしては、1.立地条件がよいこと2.設備、周辺の環境を含めて、自分も借りたみたい(住んでみたい)と思う物件であること3.分譲会社、開発業者がしっかりしていること4.管理体制がしっかりしていること…以上の条件が揃っていないと、築年数があまり経過していない段階であれば、入居者は集まりますが、築年数が経過するにつれ、賃料の下落や空室率の上昇を招くことになります。さらに、マンションの居住用の物件であれば、デザインの凝った物件も多数登場していますが、デザインにも一種の流行がありますのでそのあたりも気をつけましょう。

新築物件においては、特に物件の見極めも重要ですが、これからお付き合いをしていくことになる不動産販売業者や管理会社も信頼できるかどうか見極めることが重要です。でなければ、不動産販売業者や管理会社にいいように扱われることになってしまいます。

次に、中古物件を選ぶときのポイントですが、新築物件で取り上げたポイントにプラス中古物件特有の見極め方が必要です。その一つに物件の価格が挙げられます。中古物件は査定による価格が存在しますが、中古物件は需要と供給のバランスや、売り手と買い手の間で納得のいく価格が販売価格になっています。そういった状況ですので、現在の市場の把握が必要です。また、近隣の同じような物件の価格の動向も必要です。このことは、今、検討している物件の価格が高いのか安いのかをおおまかに掴むことができます。周辺の物件よりあまりにも安い場合、「訳あり物件」と考えることができるでしょう。

次に物件の内容が挙げられます。築年数も重要ですが、バブル期までに建設された物件か、バブル期以後に建築された物件かにより建物、設備、管理などが極端に違ってきています。また、それは今後の収益性にも関係してきます。さらに、現状において入居者がいる場合、賃料や入居者(質と今後の契約更新の意志)に関しても調査できる範囲でしておく必要があります。現在の入居者(テナント)が悪質で、オーナーが手に負えなくなったので手放したというケースもありえます。また、手放すことになるオーナーの事情もチェックしておきたいものです。さらに、これまでの修繕積立金が不足している場合、積立金等の負担が増加する場合もありますので、修繕積立金についてもチェックが必要です。

そして、最後に競売物件を選ぶときのポイントですが、まず、上記2つの物件とは明らかに違うということを理解した上で検討してください。一つ例を挙げるならば、「隠れたる瑕疵への担保責任」が、競売不動産にはありません。隠れたる瑕疵とは、建物の一部分が腐っていたが、それを知らずに購入し、その後、住みはじめて分かったといった欠陥のことをいいます。通常は、隠れたる瑕疵が発見された場合、売主に対して契約解除、損害賠償の請求等ができますが、法律上、競売不動産ではこれができません。

これらのことを理解した上で、さらに検討に値する競売物件がある場合、その物件の調査にあたることになります。競売物件に関わるのは初めてであるといった場合、競売の専門書等で勉強された場合でも、あくまで机上の話に過ぎませんので、専門家に相談や協力を依頼することをお勧めします。落札後、とんでもない置き土産がついてくる可能性もありますので…。

最後に、皆さん車を選ぶときは慎重かつ色々と勉強された上で購入されると思います。不動産も車を選ぶとき以上に慎重かつ様々な知識が求められます。

 

 

 

 

 

 

 

次回に続く

掲載日時:2017年9月1日

 


佐藤 益弘 氏プロフィール

株式会社優益FPオフィス 代表取締役
・ファイナンシャルプランナー(CFP資格認定者)
・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)
・法政大学 兼任講師
・気学士

東洋精糖(株)の不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、FP資格を取得。2000年8月より独立系FPとして独立。

㈱住まいと保険と資産管理、㈱ユナイテッドファイナンシャルプランナーズ、オフィス秀梨&コンサルティングネットワークス㈱  以上、3つのFP関連会社の設立に参画する。

現在、お客さまサイドに立ったシンの独立系実務家FPとして、そのネットワーク確立のため、マイアドバイザーを運営。

数少ない 金融商品販売を伴わない コンサルティング業務をメインとした 「お客様サイドのFP」「教科書通り のFP」として活動中。