第34回 新築物件か?中古物件か?競売か?(3)
前回から 新築物件か?中古物件か?競売か? についてお伝えしていました。
今回は3回目になります。
・それぞれ選ぶときのポイントは?
次ぎに、中古物件(既存物件)を選ぶときのポイント(2)
手放すことになるオーナーの事情もチェックしておきたいものです。例えば、相続や債務超過により売却を急いでいるなど状況がわかれば、価格交渉時に有利に事が運ぶ可能性もあります。
また、希に優良物件に関して売り手が売却の意思を明確化していないのにも関わらず、情報だけが一人歩きするケースもあります。この様な物件情報は不確定要素が非常に高いので、気をつけましょう。
また、修繕積立金についてもチェックが必要です。
通常、10~12年サイクルで大規模修繕を行う可能性が高く、このタイミング売却される事も多いので、購入直後に大規模修繕の負担金が掛かるのか?掛かるのなら、その分は価格交渉で値引きなどを打診するなど行うと良いでしょう。
投資用マンションの場合、計画通り、修繕積立金が積み立てられていないケースも多々見受けます。例え1回目の修繕が乗り越えられても、築後20~24年目にやってくる2回目の大規模修繕について実施出来ないケースもありますので、ご注意下さい。
最後に、競売物件を選ぶときのポイント
まず、上記2つの物件とは明らかに違うということを理解した上で検討してください。
一つ例を挙げるならば、「隠れたる瑕疵への担保責任」が、競売不動産にはありません。
「隠れたる瑕疵」とは、建物の一部分が腐っていたが、それを知らずに購入し、その後、住みはじめて分かったといった欠陥のことをいいます。
通常は、隠れたる瑕疵が発見された場合、売主に対して契約解除、損害賠償の請求等ができますが、法律上、競売不動産ではこれができません。
つまり、不良品を購入した場合の責任問題を追及できないと言うことです。
なお、以前記載しました「敷金」同様、執筆時点でこの「瑕疵担保責任」も民法改正(債権)論議にて国会で議論中です。
詳細な内容が変更になる可能性が高いので、追って、コラムでお伝えします。
これらのことを理解した上で、さらに検討に値する競売物件がある場合、その物件の調査にあたることになります。
競売物件に関わるのは初めてであるといった場合、競売の専門書等で勉強された場合でも、あくまで机上の話に過ぎませんので、専門家に相談や協力を依頼することをお勧めします。落札後、とんでもない置き土産がついてくる可能性もありますので…。
最後に、みなさんが自動車を選ぶときは慎重かつ色々と勉強された上で購入されると思います。
好き嫌いもそうですが、投資用不動産も自動車を選ぶとき以上に慎重かつ様々な知識が求められます。
次回に続く
掲載日時:2017年10月2日
佐藤 益弘 氏プロフィール
・株式会社優益FPオフィス 代表取締役
・ファイナンシャルプランナー(CFP資格認定者)
・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)
・法政大学 兼任講師
・気学士
東洋精糖(株)の不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、FP資格を取得。2000年8月より独立系FPとして独立。
㈱住まいと保険と資産管理、㈱ユナイテッドファイナンシャルプランナーズ、オフィス秀梨&コンサルティングネットワークス㈱ 以上、3つのFP関連会社の設立に参画する。
現在、お客さまサイドに立ったシンの独立系実務家FPとして、そのネットワーク確立のため、マイアドバイザーを運営。
数少ない 金融商品販売を伴わない コンサルティング業務をメインとした 「お客様サイドのFP」「教科書通り のFP」として活動中。