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第57回目 購入価格をいくらにするか?

 

前回まで不動産業者との付き合い方について…「不動産会社と媒介契約を結ぶ」というテーマでお伝えしました。
今回から価格の見定め方について数回に分けてお伝えしていこうと思います。
今回は、「購入価格をいくらにするか」ことについてお話しをさせて頂きます。
それでは始めましょう。

不動産の価格は目的で変動する!

不動産の価格には定価はありません。不動産は、一物四価とも五価ともいわれ、目的別に価格が分かれています。最も参考にすべきものは、実勢価格、いわゆる時価、あるいは相場です。不動産会社に尋ねれば地域の取引事例を見せてもらえます。

その他に、公的なものとして固定資産税や都市計画税、不動産取得税や登録免許税などの算出の基準となる「固定資産税評価額」、相続税や贈与税の算出の基準となる「相続税路線価」、公共事業による収用する額などの算出の基準となる「公示価格」「基準地標準価格」があります。このうち「路線価」「公示価格」「基準地標準価格」は、インターネットでも確認することができます。

しかしながら、不動産を購入する際の価格の参考となるのは、実勢価格に比較的近いといわれている「公示価格」「基準地標準価格」ぐらいです。それも出ているのは土地の価格なので、中古のアパートならまだしも、マンションを購入する際には、ほとんど参考にはなりません。ましてや運用物件ともなると、これらのデータだけで価格の妥当性を計ることなどできません。見るべきところを挙げるなら、購入対象のエリアが、前年、前々年と比較して地価動向がどのように推移しているか程度に考えておきましょう。

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不動産を評価する3つの方法

不動産を評価する方法に次の3つがあります。収益還元法
不動産から生ずる純収益(総収益一総費用)をもとに、適切な還元利回りで割り、価格を算出する評価法です。価格は収益価格といい、賃貸不動産を評価する場合に有効な手法です。取引事例比較法
多数の取引事例の中から比較的条件が似ている事例をもとに、条件の相違する点を比較考量し、価格を算出する評価法です。価格は比準価格といい、自己利用する不動産を評価する場合に有効な不法です。原価法
対象となる不動産と同じ建物を、いま建築するといくらかかるかを算定し、減少した価値を減価額として引いて価格を算出する評価法です。価格は積算価格といい、主に建物を評価する場合に有効な手法です。

この3つの評価法のうち、投資用不動産を購入する際に、最も重視すべきものは、説明するまでもなく①です。ただし、適切な還元利回りを何%とするかによって、価格がまったく変わってきますので、購入対象となるものがイメージしている物件とはあまりにもかけ離れてくることも十分考えられます。その場合、物件の種別を変えるのか、エリアを変えるのか、利回りを妥協するのかの壁に直面するであろうことも、覚えておきましょう。

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また、売却する際も①の評価法を参考にします。しかし、場合によっては、賃貸人が退去して空室になっていることも考えられるでしょう。その場合には、②の評価法に基づき、価格を決めて売却を進めることも有効です。理由は、一般的に①も②のほうが金額が高くなることが多いからです。

以上、次回に続く

 

掲載日時:2018年9月15日

 


佐藤 益弘 氏プロフィール

株式会社優益FPオフィス
・ファイナンシャルプランナー(CFP)

数少ない 商品販売を伴わない 「お客様サイドのFP」「教科書通り のFP」として活動中。