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第63回目 現地調査の仕方(2) ワンルームマンション規制を確認する

 

前回から「基本的な不動産調査」についてお伝えしています。 また、前回は「立地」についてお伝えしました。 今回はその続き、「ワンルームマンション規制」について話しをさせて頂きます。 それでは始めましょう。

ワンルームマンションの建設を規制しているエリアもある

例えば、私の事務所がある神奈川県川崎市(政令指定都市)では、1987 年(昭和 62 年) に

川崎市ワンルーム形式集合住宅等建築指導要網が制定されています。

 

どうしても単身者が多くなるとマナーの問題やライフスタイルの多様化による管理の問 題が増え、近隣トラブルも増えてしまいます。

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また、近隣住民の不安や地域コミュニティ の希薄化し、災害時の対応に支障をきたす等の懸念も生じます。

そこで、今後の社会構造を見据えて、2018 年(平成 30 年)にこのルールが改定されま した。

改定内容ですが、
・最低住戸専用面積の引き上げ

・建物規模に応じた適切な管理を行うため、住戸数に応じた管理体制の基準を見直し

・近隣住民と入居者との良好な関係の構築を誘導するため、建築主等が努める取組に関する事項が追加されました。

また、東京都豊島区では新築される一定のワンルームマンションに 1 戸あたり 50 万円が課税される

狭小住戸集合住宅税」が 2004 年(平成 16 年)6 月から導入されています。

 

これは、豊島区内の住宅で 30 m²に満たない集合住宅の占める割合が約 40%という状況に なり、世帯構成のうち単身世帯の割合が約 56%という偏った状況になっていること。また、 その影響で、子育て、教育、福祉、町会活動など、多様な世帯が協力して地域ぐるみで行 うべき街づくりに将来、重大な支障をきたすことが懸念されたことが導入の理由のようで す。事実、豊島区は将来的に行政として機能しなくなるのではないか?と危惧された事も あります。

そこで、狭小住戸の数が 8 戸超の狭小な住戸を有する集合住宅を建築しようとする建築 主へ課税する=負担を重くすることで、1 戸あたりの面積が少しでも広い住宅の供給を誘導 しています。

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政府も直近の住宅政策(2016 年住生活基本計画)で、単身者が健康で文化的な住生活を 過ごせる必要不可欠な住宅面積を「居住面積水準(最低)」として 25 m²と指定し、都市部 では「誘導都市居住型誘導居住面積水準」として 40 m²と定めています。

既に見え隠れしていますが、今後、都市部に関しては、65 歳以上の人口割合増加する高齢化問題が顕在化してきます。

前回のコラムで、ワンルームマンションはプランが画一的であることをお伝えしました が、立地によりオフィスへのコンバージョンや居住ニーズによっては高齢者向けの住宅へ のリフォーム、また、今年(2018 年)6 月に施行された住宅宿泊事業や緩和された旅館業 法により適正に行われる「民泊」への活用も期待できるかもしれません。

いずれにしろ、これらの動きは人口が多い魅力的な地域で広がりを見せていることから、 今後の自治体の動きに注目する必要があります。

 

 

 

 

以上、次回に続く

 

 

 

掲載日時:2018年12月15日

 


佐藤 益弘 氏プロフィール

株式会社優益FPオフィス
・ファイナンシャルプランナー(CFP)

数少ない 商品販売を伴わない 「お客様サイドのFP」「教科書通り のFP」として活動中。