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第66回目 現地調査の仕方(5) 建物を調査する(2)

 

前回は、建物 についてお伝えしました。
 今回は、その続きになります。
 それでは始めましょう。

住宅性能保証制度

2005 年(平成 17 年)11 月に、いわゆる「耐震偽装問題」が発生し、建築基準法で定めら れている耐震強度を下回る分譲マンションやホテルなどが多数、市場に供給されているこ とがわかりました。大きな社会問題になった事を記憶している方も多いと思います。

この事件により、それ以後、建築基準法や建築士法、宅地建物取引業法、建設業法等の 大きな改正が行われました。

前回のコラムでお伝えした通り、新築住宅の場合、住宅供給者は「住宅の品質確保の促 進等に関する法律」により建物として必要不可欠な重要な一定の部分(=構造耐力上主要 な部分+雨水の浸入を防止する部分)について、いざという時に無料で修補することにな っています。

ただ、上記の問題発生後に住宅供給した業者が倒産してしまい、いくつかの新築マンションで瑕疵担保責任の履行=欠陥に対する補償がなされない事態が発生しました。

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実はこのようなケースでも消費者が救済されることを目的とした制度として、事件当時 も「住宅性能保証制度」がありました。ただ、前回のコラムでお伝えした「住宅性能表示 制度」と同様、任意の制度であったため、活用されていませんでした。

 

 

住宅瑕疵担保履行法と瑕疵保険

そこで、この制度は 2008 年(平成 20 年)6 月末で受付を終了し、2009 年(平成 21 年)

10 月 1 日より、住宅瑕疵担保履行法がスタートしました。この法律は、新築住宅を供給す る事業者に対して、欠陥の補修等が確実に行われるよう、保険や供託を義務付けるもので す。

「保険」で対応する場合、先ず、住宅供給業者が国土交通大臣より指定を受けた「住宅 瑕疵担保責任保険法人」に保険料を支払い、保険契約を締結することになります。

供給される住宅はどれ 1 つとして同じモノはなく、極めて個別性が高く、地域性の影響 も受け、高額になります。ですから、保険の引き受けにあたっては検査能力だけでなく、 適切な保険運営が求められるため、普通の保険会社ではなく、国土交通大臣指定の「住宅 瑕疵担保責任保険法人」が保険を提供しています。

住宅供給業者が保険金の支払い対象部分で欠陥の補修などを行った場合には、その掛か った費用に対して、事業者の請求により、保険金が支払われる仕組みです。

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ただ、万が一、住宅供給業者が倒産等により補修などができない場合には、2000 万円ま での補修費用が住宅購入者に直接、保険金として支払われます。

本コラムは新築の投資用マンションを基準に記載していますが、既存住宅(中古住宅) や住宅リフォームに関しても保険に加入することができます。

詳しくは、以下の HP をご確認ください。

国土交通省住宅局住宅生産課「住まいのあんしん総合支援サイト」

なお、保険に加入できる住宅には一定の要件があります。当然ですが、この要件に合致 するような新築マンションを購入したいですね。

 

以上、次回に続く

 

 

 

 

掲載日時:2019年2月1日

 


佐藤 益弘 氏プロフィール

株式会社優益FPオフィス
・ファイナンシャルプランナー(CFP)

数少ない 商品販売を伴わない 「お客様サイドのFP」「教科書通り のFP」として活動中。