第 69 回目 登記について(1) 登記とは
前回は「地域とのコミュニケーション」ことについてお伝えしました。 これで一連の「現地調査の仕方について」は終了しました。
今回から、不動産を調査するに当たり必要不可欠な資料である「登記」について、数回 に分けて、お伝えします。 今回は、 「登記の基本的な意味合い」について話しをさせて頂きます。 それでは始めましょう。
登記すれば、みんなに「自分の不動産だ」と公示できる
無事契約を済ませ、これでマンションがあなたのものとなりました。しかし、マンショ
ンがあなたのものになったことを知っているのは、売買の当事者と契約に立ち会った不動
産業者だけです。
あなたが所有者であることを世間に知らしめましょう。
そのためには「所有権の登記」が必要です。
登記した内容は誰でも閲覧が可能なので、登記することにより他人にも自分が所有者で
あることを示すことができるのです。
登記は購入した物件の所在地を管轄する登記所(法務局)で受けることができます。
ただ、管轄は、市町村別など地方自治体単位で沸かれているわけではありません。です
か ら 、 法 務 省 の HP 「 法 務 局 ・ 地 方 法 務 局 所 在 地 一 覧 」で、先ず、大きな括り~主に都道府県別
~で、該当する法務局・地方法務局の HP を選択しましょう。
画面が選択した法務局・地方法務局の HP に移ったら「法務局・管轄のご案内」から「登
記の管轄区域一覧」を選んで、物件の所在地を管轄する登記所(法務局)が何処か、確認
しておきます。
所有権の登記は任意だが・・・無用なトラブルを回避できる
実は、所有権に関する登記をするか否かは、新たに所有者となったあなたの自由です。
所有権に関する登記は義務ではなく、登記権利者(新たな所有者)の任意となっていま
すが、契約が完了したら必ず登記するようにしてください。
たとえば、売主があなたと契約した後で、同じ物件を他の人にも売却したとします。
さて、この物件はどちらのものとなるでしょうか?
契約を早くしたからといってあなたのものになるとは限りません。法的にも早く登記し
たものの勝ちになります。
ですから、もしあなたより先に他の人に登記されてしまったら・・・。
売主に文句を言うことはできますが、先に登記した人には負けてしまいます。
なぜなら、登記をしている方が、公に「自分のモノだ」と言えるからです。
このようなケースを「二重売買」と呼んでいますが、このようなトラブルに巻き込まれ
たとしても、登記を受けていればリスクを回避することができるのです。
図:二重売買の例
著書「不動産投資はじめ方マニュアル」より
以上、次回に続く
掲載日時:2019年3月15日
佐藤 益弘 氏プロフィール
・株式会社優益FPオフィス
・ファイナンシャルプランナー(CFP)
数少ない 商品販売を伴わない 「お客様サイドのFP」「教科書通り のFP」として活動中。