第82回目 契約書について(3)
今回は、契約書 についての3回目です。
それでは始めましょう。
・マンション管理規約に落とし穴が 売買契約でマンションの一室を購入したら、その部屋の所有権はあなたのものです。
あなたが所有者である以上、その部屋をどのように使おうが自由のはずです。しかし、 マンションの場合、そう単純ではありません。マンションは昔の長屋のようなもので、 多くの人が、一つの建物を区分して共同生活している形態です。共同生活である以上、 一定のルールが必要になります。
これがマンション管理規約をいわれているもので、マンションの部屋の所有者や居住 者はこの規約を遵守して生活する必要があります。マンション購入後、規約を見たら自 分が当初考えていた利用方法が規制されていた。これではマンションを購入した意味が なくなってしまいます。
マンション管理規約で許されている禁止事項、これは必ずチェックしてきましょう。
・マンションの用途について 1階にコンビニエンスストアーなどの店舗が入っているマンションをよく見かけます。
マンションを店舗や事務所として利用してよいのでしょうか?マンションについては、 「建物の区分所有に関する法律(区分所有法)」という法律がありますが、実はこれには 用途は一切規制されていません。つまり自由ということになっており、用途を規制する 場合には各マンションの管理組合が管理規約で規制することになっています。
したがって、管理規約で「用途は居住用に限る。」と規制した場合、店舗や事務所とし て利用することはできません。規約次第なのです。
都心型のマンションを購入して、賃貸しようとする投資家の中には、住居として貸す よりも家賃を高く取れる店舗や事務所として貸したいと考える人が少なくありません。
まずは、契約書でその用途を店舗・事務所と記載しても、管理規約でNGであれば用 途違反となりますので確認をお願いします。
・リフォームは勝手にできない あなたが2DKのマンションを購入した後、間取りをワンルームに変更したうえで第
三者に賃貸しようとした場合、この間取り変更を勝手に行ってはいけません。自分の部 屋をどのように変更しようが自由なはずですが、やはりマンションの特殊性を考慮し、 これを禁じています。
2DKをワンルームに変更するためには、壁や柱を壊す必要があります。マンション は当初の設計段階で建物の荷重を計算して建てられおり、壁や柱はこの荷重に耐えるた めになくてはならないものです。勝手な間取り変更を認めてしまうと、建物全体の荷重 バランスが崩れ、安全性が損なわれるため、もし、このような工事を行う場合は、マン ションを所有する者全員で構成される管理組合の総会を開催して承諾を得る必要があり ます。
以上、次回に続く
掲載日時:2019年10月1日
佐藤 益弘 氏プロフィール
・株式会社優益FPオフィス
・ファイナンシャルプランナー(CFP)
数少ない 商品販売を伴わない 「お客様サイドのFP」「教科書通り のFP」として活動中。