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第84回目 契約書について(5)

 

今回は、契約書 についての5回目です。
 手付けの続きになります。
 それでは始めましょう。

☆物件が完成のケース(図2) 完成物件の売買契約の場合、受領しようとする手付金等(例:「手付金」「内金」「中間金」)の額が、すでに受領した額を加えて、代金の 10%を超え、あるいは受領した額 が 1,000 万円を超える場合には保全措置を講じた後でなければ、手付金等を受領して はならない。(図2)では、これまでに「手付金」と「内金」を受領しているが合計し ても 10%以下(かつ 1,000 万円以下)のため保全措置は講じてこなかったが、「中間金」 を受け取ると 10%を超えるので保全措置を講じた後でなければ「中間金」100 万円を 受け取ることができない。

(図2)手付金等の保全措置(完成のケース)
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・手付けの保全措置とは?

未完成物件に場合には、「銀行等による保証」のほか「保険事業者による保証保険」の 2つがある。一方、完成物件には「銀行等による保証」「保険事業者による保証保険」に 加え、「指定保管機関による保管」という3つの方法がある。いずれも売主である不動産 会社と関係のない第三者によって保証されており、たとえ不動産会社が倒産しても手付 金は守られる仕組みになっています。

手付解除 売買契約を締結し手付金を支払った後、買主がその契約を解除することは原則として

できません。契約は大人同士が結んだ約束なので、いったん締結した契約は簡単に解除 することはできないのです。どうしても解除したい場合には「手付解除」をすることに なります。「手付解除」とは、買主は手付金を放棄することにより、売主は手付金を買主 に返還し、かつ手付金と同額の金員を提供して、契約を解除する方法です。買主である あなたは手付金についてはあきらめることになりますが、残金の支払い義務を免れ、契 約違反により損害賠償を請求されることもありません。なお、手付解除をするにあたり、 正当な理由は必要なく、単に「気が進まない」といった理由でも解除することができます。

 

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しかし、いつでも手付解除ができるわけではありません。相手方が契約の履行に着手 した場合は、それ以後手付解除はできなくなります。「履行の着手」とは、客観的に外部 から認識しうるような形で履行行為の一部をなし、または履行の提供をするために欠く ことのできない前提行為をした場合と解釈されています。たとえば、マンション売買契 約において、2DKをワンルームへ間取り変更工事を行ったうえで引渡す約束になって いたとしましょう。この場合、売主が契約にしたがってこの工事に着手したときは「履行の着手」と認められ、以後買主であるあなたは手付解除ができなくなります。

手付解除は便利な制度ではありますが、そもそも契約の段階で慎重に資金計画等を検 討すれば手付金を無駄にすることもないわけですから、購入の意思をしっかりと固めて から契約するようにしてください。

以上、次回に続く

 

 

 

 

掲載日時:2019年11月1日

 


佐藤 益弘 氏プロフィール

株式会社優益FPオフィス
・ファイナンシャルプランナー(CFP)

数少ない 商品販売を伴わない 「お客様サイドのFP」「教科書通り のFP」として活動中。