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第88回目 引渡しについて(2)

 

 

前回から数回に分けて、引渡しに関してお伝えしています。
それでは始めましょう。


瑕疵担保責任とアフターサービス

「新築の家を買ったが、入居後 3 日目で雨漏りが起こった」。欠陥住宅の典型です。売主 は欠陥のない家を引渡す義務があるはずです。これを売主の「暇庇担保責任」といい、欠陥住宅を売ってしまった売主は、損害賠償や場合によっては契約の解除に応じなければなりません。

しかし困ったことに、住宅に欠陥があることを証明する責任は購入者にあり、そのため 建築についての専門知識が必要になります。例えば、住宅を購入して 10 年後に雨漏りが発 生した場合、年が経過することにより発生したものなのか、それとも欠陥なのかの判断が 難しいのです。これでは、実際に欠陥が発生して困っているにもかかわらず、売主業者が 瑕疵任担保責任を認めない場合、裁判を起こすしか方法がなく、時間とお金がかかってしまいます。

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なお、2020 年 4 月の民法改正により「瑕疵任担保責任」は」「契約不適合責任」に変更 になり、変更になります。

これに対して、アフターサービスは売主業者と買主の契約によって約束されたもので、 一定期間(部位により異なる)であれば、故意で壊すなど特殊な事情を除いて補修してく れるので、買主には安心なサービスといえるでしょう。しかし、アフターサービスを受け る時点で、売主業者が倒産、あるいは資力がない場合には泣き寝入りすることになります ので、売主業者の信用度のチェックも合わせて行う必要があります。

 

アフターサービスでどこまで補修してくれるか

アフターサービスを受けるにあたっては、補修の範囲と保証期間を確認することが必要 です。これらは売主業者との契約によって定めることになりますが、ここで参考になるの が「アフターサービス基準」と呼ばれるものです。これは不動産の業界団体が定めた基準

で、団体に加盟する不動産業者はこれをもとに顧客とアフターサービス契約を締結します

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技術評論社「不動産投資はじめ方マニュアル」より

例えば、ある団体では雨漏りについては 10 年、壁のクロスがはがれた場合には 2 年間補 修に応じる旨定めています。なぜ保証期間に差があるのか。雨漏りの原因は屋根にありま す。屋根は建物の構造上重要な部分と考えられているため、手厚い保証期聞を設定してい るのです。これに対し、クロスがはがれたケースなどでは、生活に著しい障害が発生する わけではありませんので、重要な部分に比べ保証期間は短く設定されています。

アフターサービスは買主にとってはありがたい制度です。売主業者にとっては大きな負担となりますが、自分の建設した物件に誇りをもっている業者であればこのアフターサー ビスに力を入れているはず。

業者選択の基準のひとつとして加えておいてください。

以上、次回に続く

 

 

掲載日時:2020年1月1日

 


佐藤 益弘 氏プロフィール

株式会社優益FPオフィス
・ファイナンシャルプランナー(CFP)

数少ない 商品販売を伴わない 「お客様サイドのFP」「教科書通り のFP」として活動中。