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第89回目 引渡しについて(3)

 

 

 

2020 年、あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い致します。

さて、数回にかけてお伝えした引渡しに関しても、今回最終回です。 それでは始めましょう。

不動産業者とトラブルが発生したら ~営業保証金制度

不動産売買契約について、不動産業者のミスや倒産によってトラブルが発生する可能性 があります。もしトラブルが起こったら…。その対処法を解説しましょう。

不動産業者が不動産取引において顧客に経済的な被害を与えた場合に備え、「営業保証金 制度」というセーフティネットが用意されています。不動産業者は営業するにあたって、 営業保証金(本店 1 店のみの場合 1000 万円、支店 l 店につき 500 万円加算)を供託所(法 務局)に供託(預けること)する義務があります。被害を受けた顧客は、この営業保証金 から被害額を取り戻すことができるので、営業保証金は不動産業者の本店最寄りの供託所 に供託してあります。

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宅地建物取引業保証協会

営業保証金 1000 万円を供託せずに宅地建物取引業保証協会(以下、「保証協会」という) に加入している不動産業者もいます。

この場合、直接供託所に請求するのではなく、まずは保証協会に「認証」という取り戻 しの確認を求めてください。その後、供託所で取り戻しが可能となります。

また、保証協会は不動産業者と被害者の仲裁役も務めてくれますので、円満解決の可能 性もあります。保証協会には、公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会と公益社団法人 不動産保証協会の 2 団体がありますので、あなたが取引した不動産業者がどちらの団体に 加入しているか、重要事項説明書で確認して認証の申し出を行ってください。

悪質な場合は監督官庁への相談も

不動産業者は国土交通大臣あるいは都道府県知時から宅地建物取引業免許を受けて宅地 建物取引業を行っています。免許を与えた国土交通大臣や都道府県知事は自分が免許を与 えた業者に対して指導監督する権限を持っています。もし違法行為を行った場合、免許取 り消し、営業停止または指示処分といった監督処分を行うことができます。不動産業者に 悪質な行為があった場合には、監督官庁に相談するとよいでしょう。

取引の相手方の債務不履行

あなたがマンションの買主だとして、代金を全額支払ったにも関わらずマンションを売 主が引き渡してくれなかったら・・・。取引の相手方が約束を守ってくれないのですから、法的措置も視野に入れ、まずは催告を行ってください。

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催告は口頭で行ってもよいのですが、証拠を残すために「内容証明郵便」を利用するの が良いでしょう。内容証明郵便は、郵便局に通知の内容が保管されますので、後に訴訟に なったときに証拠として役に立ちます。また「配達証明付き」にすることを忘れずに。こ れだと、相手方が受け取ったことを証明するハガキがあなたの手許に届きますから、相手 方が「そんな郵便は受け取っていない」と主張したときに、やりかえすことができるのです。

一連の物件購入に関するパートもこれで最後になります。 次回から運用段階の話に移ります。

 

 

以上、次回に続く

 

 

掲載日時:2020年1月15日

 


佐藤 益弘 氏プロフィール

株式会社優益FPオフィス
・ファイナンシャルプランナー(CFP)

数少ない 商品販売を伴わない 「お客様サイドのFP」「教科書通り のFP」として活動中。