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第102回目  変化する世の中に対応しよう(1)

 

今回から変化する世の中に対応することについて、お伝えします。
まず、税制改正リスクをお伝えします。
それでは始めましょう。

 

・毎年行われる税制改正に注意

以前お伝えした通り、家賃収入は所得税と住民税の課税対象となります。節税を目的に不動産投資を行っている方も多いので、様々な節税テクニックを駆使している方もいらっしゃると思います。実際、支払う税金額分だけ投資利回りは低下しますから、不労所得の増加を目的にした本来の意味の不動産投資をしている方にとっても税制の動向は 注視する必要があります。
特に毎年行われる税制改正には留意しなければいけません。たとえば、これまで認められていた節税手法が改正により認められなくなるケースや、税額計算するにあたって複数の方法が認められていたものが、改正以後は選択が許されなくなる事態が想定されます。
不動産投資と税金は切っても切れない関係にありますので、購入時の税金のみならず、あらゆるシーンで税金には注意を払ってください。
今回は所得税についての過去の税制改正で影響の大きかった事例を振り返ってみましょう。

 

 

 

・土地建物の譲渡損失は他の所得の黒字と差し引きできない

所得税を算出するにあたっては、損益通算という計算を行います。詳細は後述しますが、不動産経営の収支(不動産所得)が赤字の場合、この赤字と給料(給与所得)などを差し引きできる制度です。これによって、所得の全体額は小さくなりますので結果と して所得税額が少なくすることができます。
この制度は有効な節税方法なので、納税者にとっては是非利用したい制度ではあります。ただ、土地や建物を売却したときに発生した赤字は、給与所得などと差し引きすることは認められていません。2003年(平成15年)までは土地や建物を売却したと きに発生した赤字も差し引きの対象となっていましたが、2004年(平成16年)度税制改正により認められなくなってしまいました(特例制度を適用した場合除く)。

 

 

 ・建物の減価償却方法は定額法のみ

建物などの償却資産は、長期にわたって使用されるものですから、使用可能期間にわたって少しずつ経費(減価償却費)とすることになっています。

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毎年の減価償却費を求める方法には「定額法」と「定率法」があり、早い時期に多くの減価償却額を計上できる「定率法」の方が毎年均等に減価償却額を計上する「定額法」より節税効果が高くなります。所得税の場合、原則「定額法」となっていますが、管轄の税務署長に届け出をすることで「定率法」も適用することができました。
1998年(平成10年)3月までは建物の減価償却は、原則「定額法」、届け出より 「定率法」を選択適用することができましたが、同年4月以降取得した建物の減価償却 は「定額法」のみとされ、届け出をしても「定率法」を適用できなくなりました。

 

 

以上、次回に続く

 

掲載日時:2020年8月1日

 


佐藤 益弘 氏プロフィール

株式会社優益FPオフィス
・ファイナンシャルプランナー(CFP)

数少ない 商品販売を伴わない 「お客様サイドのFP」「教科書通り のFP」として活動中。